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Episode1:会えない人・・

早ければ入会1ヶ月目、多くの方が2ヶ月以内に1度程度は出会い(お見合い)を経験されます。

ですが・・


Sさんは、とても引っ込み思案で何事にも慎重な方でした。
爽やかな印象で、会話も楽しくできる方なので、コンシェルジュとして事前に懸念するような要因はなく、安心してご紹介できるものと思っていたんです。

ぜんぜん連絡が来ない・・

入会から1ヶ月も経たない頃、最初のご紹介の機会が訪れました。
Sさんのご希望、結婚の価値観、周辺状況を鑑み、お相手の専任コンシェルジュとも相談し合い、後はお二人の出会いの場を準備するだけとなり、Sさんにご連絡さし上げたところ・・

Sさんからは何ら返信がありません。
何度かの連絡の末、ようやくSさんからメールが届きました。

 

ところがとんでもないことが発覚し・・

Sさんともう1度お会いして、今までの状況やお考えについてお聞きしました。
私とお話するSさんはとても紳士で、お話もしやすく、仕事熱心な印象でした。しかし、たびたび音信不通になってしまうことに対し、その真意をお伝えいただけるよう、時間をかけてお話しました。

そこでSさんからお聞きしたのは・・
実はSさんは非常に緊張される方で、実際にお会いすることが決まりそうになると、逃げ出してしまいたいほど緊張されるとのこと。

あまりに連絡が取れず、ご紹介したお相手からも

「別の方でもいいです。」
「あまり時間がかかるのも・・」

とおっしゃられるため、せっかくの出会いのチャンスがどんどん先送りになっていました。

Sさんの極度な緊張をどう解きほぐしたら、お相手と会ってくださるのか、コンシェルジュたちが集まって何度も話し合いました。

真剣にお付き合いを望んでおられるSさんに対し、わたしたちコンシェルジュがどこまでお手伝いできるのか、時間をかけてイメージしました。

相性とは不思議なもので

Sさんの異性に対する極度な緊張は、誰に対してもそのようでした。
ですから、どのようなお相手をこちらがご紹介しようとSさんの緊張を和らげることは難しいなと、私も少し落ち込んでいる頃、他のコンシェルジュがある方を紹介してきました。

この方のプロフィールを見る限り、Sさんのご希望や価値観とは到底相容れないものだと、少なくとも私のこれまでの経験とデータがそれを証明していました。

ただ相性というのは、私たちが初めに想定したこととはまったく異なる方向でうまくいったり、いかなかったりすることも経験していましたので、八方塞がりに近い今の状況を打破するためには、少し冒険も必要ではないかと思い、Sさんにお相手をご紹介しました。

そして、Sさんを励まし、Sさんの魅力に自信をもっていただけるようコーチングし、何とかSさんを説得し、いよいよ初めての出会いの場がセッティングされました。

しかし、現実は私たちの想像を超えて・・

少しの冒険、少しの強引さをもって計画したSさんのファーストコンタクトでしたが、結果は私たちが思った以上のことになってしまいました。

実はSさん、お会いになった最初はやはり極度の緊張で動くこともままならなかったそうなんです。
ですが、お相手からのおおらかで優しいアプローチがあっという間にSさんの気持ちを解きほぐしてしまったらしく、お別れの時間がやってくる頃にはご自分でも不思議に思うくらい楽しい時間を過ごし、名残り惜しさを感じられたとか。

私たちコンシェルジュは、常に会員の方々の味方であり、最良の理解者でいたいと想い続けていますが、出会いを求めるお二人の気持ちはなにものにも代えがたい、そして私たちの力が及ばない壁を簡単に乗り越えるくらいの力を持つものなんですね。

ご本人の印象やお相手との相性やデータは婚活を成功させるために大切です。
しかし、人と人の心が生み出す神秘とさえ言える力をお二人が生み出すこともあると思います。

少し冒険だったかなと思う大胆なアプローチも、時にこうして嬉しい結果に結びつくことがあります。

実は、Sさんとこのお相手、結果的にはお付き合いに進むまでには至りませんでした。
ただ、その後のSさんは見ちがえるように、他のお相手とも積極的にお会いになるようになって、その後約1年でめでたく成婚、退会されました。

困りに困り、私たちでさえドキドキするような冒険の末、Sさんが幸せな道を見出されたことにコンシェルジュのやりがいと誇りを感じさせていただきました。

結婚相談所 ふたり日和
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